「また…来ますね」


門の前で、ルイにお辞儀をする。
ルイは寂しそうに、2人を見つめていた。

…大通りへと歩き出そうとしたとき、ルイが2人の名前を叫んだ。


「夏希ちゃん!!力也!!」


夏希と力也は、その声に振り向く。
ルイは息を吸って、大声で吐いた。


「拓馬、ずっと地元におるよ!!!
 東京には、住んでない!!!」


ルイは頭を下げて、家の中へと姿を消した。
…その言葉を聞いた瞬間、頭の中が真っ白になる。

拓ちゃんが、地元に?
東京に住んでないって…。

2人はしばらく、その場に立ちつくしていた。