嬉しさがこみ上げるのとは裏腹に、これから拓ちゃんのことを聞くことに罪悪感を感じた。
「いきなり、どうしたん?」
部屋に通され、お茶を出してくれた。
ルイは驚きで落ち着きがない。
それを見て、あたしはお茶を一気に飲みほした。
「実は…話あって来たんです」
ルイは頭にハテナマークを浮かべる。
「えっ、話?」
夏希はゆっくりと頷く。
そして、口を開いた。
「前に、梓紗って女の子来ましたよね?
その子には、拓ちゃんと直接会ってない…って」
「うん、言った。
本当に会ってないよ」
先輩が見たのは、拓ちゃんじゃないん?