後ろ姿





何時間寝たのか分からない。
…目が覚めると、目の前には没収されていたかばんが置いてあった。


「おはよう」


突然背後から声が聞こえて振り向くと、拓馬くんがパイプ椅子に腰をおろしていた。

驚きで声が出ない。
情けない表情をしていると、拓馬は吹き出す。


「寝すぎやから。…帰るで」


立ち上がり、拓馬は先に指導室から出る。
状況が把握できないまま、とりあえず指導室を出た。

下駄箱でローファーに履き替え、自転車を取りに行こうとすると、後ろから声をかけられた。


「後ろ乗せるし、チャリ置いていき。
 朝も、迎えに行ったるわぁ」


「えっ、悪いしいいですよ」


「暗いし危ないから、送る。
 チャリやったら、1人やし危ないやろ?」


突然、思いもよらなかった言葉に戸惑う。
唖然としていると、拓馬に後押しされ…バイクで送ってもらうことになった。