「東京やぁ!!!」


初めての東京に、テンションが上がる夏希。


「俺のときと、一緒やんけ」


力也は呆れたが、少し嬉しそうにささやいた。

…前に来たときと同じように、5駅先のルイの家まで電車で向かう。


「久しぶりやわぁ、ルイさん」


「俺は…1ヶ月ぐらいかな」


力也は苦笑いする。
まさか、再び拓馬のことで、彼女の家を訪れるとは思いもしなかったからだ。


電車に揺られながら、すぐに最寄り駅についた。


「こっからタクシー乗って、街中のとこやから」


力也が慣れた口調で言う。


「まだ二回目やろっ」


夏希が素早く突っ込むと、力也はへへっと笑った。