翌日の朝、空港まで夏希と力也を見送りきた。


「じゃあ、ほんまに…いいねんな?」


あたしは、頷いた。

…2人は、東京に行く。
ルイさんに会いに。

自分たちの目で、拓馬くんを確認するために。

あたしは、もう…彼に会うほどの気力がない。
もう、会いたくない。

彼のことは…忘れる。
あたしは、そう誓った。


「龍くん、あずのこと頼んだでっ」


一緒に見送りにきた龍が、頭を下げる。