夏休みも、残り1週間となった。

朝から何もする気になれず、ベッドの上で雑誌を読む。

そういえば、最近買い物行ってない。
この前行ったのは…っていうても、いつやろ?


……ふと、高校の入学式の日を思い出した。

そういえば、あのとき…助けてもらったのが、初めて会った日。
あたし、帰り道もちょっと間だけ隣におった拓馬くんに…ビビってたよな。
この人も、もしかしたらナンパちゃうかって。

次の日に、夏希に紹介されたのが昨日会った人やんってなったときは…何か、安心したんよな。


「はぁ………」


深いため息をついた。

拓馬くん、どこにおるん?
なんで、連絡くれへんの?

携帯の電話帳から、拓馬の番号を押す。


『……留守番電話サービスに接続します』


虚しく耳元で響く、ガイダンス。

あほらし、繋がるわけないやん。
ただでさえ、力也くんの電話も繋がらんのに。

もしかして…と期待したものの、彼へと電話は繋がることはなかった。