「まぁ…問題は、拓やな。
あいつ、何してんねん」
力也は立ち上がり、腕を組む。
「俺な、あいつが行った日から…何回か携帯かけたりしててん。
でも、出たのは1回だけで、それから出やん」
「出たのんて…いつですか?」
「あいつが、東京についたとき」
東京についたとき…1年も前の話。
それから、彼は一体どこに行ったのだろう。
「あてに出来るもんないしな…。
まず、あいつがまだ東京におるんかすら、分からん話やし」
あたしは、ただ頷く。
今、どこにおるん?
東京におるん?
それとも…違うところ?
地元に帰ってきてるん?


