後ろ姿




…大通りへと出た瞬間、一気に力が抜けた。
その場に崩れ落ち、座りこむ。


「あずちゃん!?」


力也と龍が、心配そうに顔を覗きこむ。


緊張……した。
あたし、変なこと言わんかったかな?

言いたいこととか聞きたいこと、ちゃんと伝えれたかな?

何が何だか分からなくなり、1人でパニックになる。


「…よぅ、頑張ったよ」


落ち着きを取り戻すため、力也は彼女の頭を優しく撫でる。
その上から、龍も撫でてくれた。


「ちょっ、お前、きもいって!!
 俺に重ねんなやっ」


「力也くんこそ、触らんとってください!!」


「どう考えても、お前の手やんけっ」


目の前で騒ぐ2人を見て、安心感が湧く。
平常心を取り戻せた。