この沈黙を破ってでも、あたしは…。

深呼吸をして、呼吸を整える。


「あの……っ」


梓紗が声をあげると、ルイから視線を浴びる。
それが、すごく苦しい。


「単刀直入に、聞きますけど…拓馬くんは、どこですか?」


一番知りたかったこと。
拓馬くんの…居場所。

彼に、会いたい。


ルイは驚いた顔をして、視線を逸らす。
お茶を一口飲み、ゆっくりと口を開いた。


「拓馬とは…会ってない。
 確かに、一年くらい前にここにきた。
 でも、直接話してないよ…インターホン越しに話しただけ」


ルイさんを直視することは、できなかった。
彼女は確実に…悲しそうな瞳をしているはずだから。


「じゃあ、どこにいるとかは…」


ルイは、首を横に振る。

じゃあ、拓馬くんはどこにおるん…?
東京で、ルイさんと楽しく過ごしてるんじゃないん?
全部、あたしの勝手な…妄想やったん?