食事を済ませ、財布を取りだす。


「俺が払うから、えぇよ」


力也が先に、すたすたレジへと歩いていく。


「力也くん、めずらし」


龍が茶化しに行くと、力也が軽く足蹴りした。

ファミレスを出て、力也くんの゛勘゛を頼りに駅までの道を歩く。


「人に聞きません?」


「俺の勘は、当たるよ」


自信満々な彼に、渋々後をついていく。
さっきから、このやりとりを繰り返してばかり。

龍も呆れた顔だが、でも、少し楽しそう。