「とりあえず、俺らは順番に仮眠とろや。
あずちゃんは、ずっと寝ててくれていいで」
「あたしは…大丈夫です。
眠たくなったら言うんで」
眠れる自信がない。
気になって、仕方ない。
今もどこかで、この…東京で彼がいる。
「まぁ、ほな龍起こしてな」
「えっ、俺?」
2人は軽く争ったあと、横になった。
拓馬くんに、早く…会いたい。
会ったら、泣いてしまうかもしれない。
何も言えずに、前みたいに黙って逃げてしまうかもしれない。
それでも、彼の元気な姿を見れたら…満足。
話せなくても、一瞬でもこの目に彼の姿が映ってほしい。
…拓馬くんのことを考えていたあたしは、自然と眠っていた。


