「なん…で?」


驚きを隠せず、固まってしまう。


「俺も、拓に会いたいし?
 …まぁ、こいつは誰かさんを1人で行かしたくないらしいわっ」


力也は龍の頭に手を置き、髪をくしゃくしゃする。


「ちょっ、力也くんやめてくださいよっ。
 せっかく立ててんのにっ」


龍は慌てて髪の毛を、壁の反射でチェックする。

2人やりとりに、思わず頬が緩んだ。


「実はな…じゃーんっ!!」


力也はかばんから、3枚のチケットを取りだす。


「東京行きのチケット…」


力也はニッと口角を上げ、ピースサインする。


「早く行くで」


背中を叩かれ、力也は上機嫌で搭乗口に歩いて行く。