後ろ姿




───翌日。

夏の蒸し暑さで、目が覚める。
リビングに向かうと、太晴にミルクを与える夏希がいた。


「おはよう。 朝ごはん、できてるで」


テーブルには、サンドイッチとジュースが並べられていた。


「ありがとう。いただきます」


眠い目を擦りながら、サンドイッチを頬張る。

頭の中で、昨日の出来事繰り返される。
そして、あることを決意した。


「あたし…東京に行く。
 拓馬くんに…会いに行く」


このまま引いてたって仕方ない。
何も変わらないまま、ずるずるしていたくない。


夏希は驚いた顔をしたが、すぐに嬉しそうな表情へと変わる。


「うん、その方がいいよ。
 …実はな、あれから全然、拓ちゃんから連絡ないんやんかぁ」


夏希は眉間にしわを寄せる。