後ろ姿




ふと携帯が鳴り、画面を確認すると夏希だった。


『今日、泊まりにおいで。
 りっくんが仕事でおらんからさ。
 ……って、おーい、聞いてる?』


「なつきぃぃぃ…」


『ちょっ、どうしたん!?』


電話越しで、思わず泣き崩れた。
そして、ついさっきまでの出来事を、すべて話した。



『…事情は分かったよ。あとは、直接話そ?』


電話を切り、一旦家に帰る。
荷物をまとめて、急いで駅に向かった。


「早かったな」


改札口を出てすぐ、夏希と太晴が出迎えてくれた。


「太晴くん、おひさやね」


小さな指を握ると、握り返してくれる。
太晴のかわいさに和ませられながら、すぐにマンションについた。