龍くんは、たまに学校に来ているらしい。
でも、絶対に会うことはない。
あたしを避けているから…。

頬の傷は、痛々しい゛傷痕゛へと変わった。


「龍くん…!!」


反対側の校舎の屋上にいる龍の姿が、目に映った。
声が届くはずはなく、彼はしゃがみこんで眠る体制に入る。


「トオルくん、あれ、龍くんやんな!?」


トオルは一瞬、迷ったが頷いた。
急いで屋上を出て、階段を駆けおり反対側の校舎に行く。