持ち物は、携帯だけ。
自転車の鍵もないので、乗ることが不可能。
お金さえない。


とりあえず指導室を出て、中庭を通り抜けた。

下駄箱で靴に履き替え、校門に向かう。
真っ白に塗られた校門は、少し錆が気になるくらいでどっちかというと、綺麗。


校門を出る手前で、前方から誰かが歩いてくるのが見えた。
徐々に近づくにつれ、それが誰なのかは一目瞭然となった。