返す言葉が見つからず、黙ってしまう。
そのとき…力也と夏希が来た。
久しぶりに、4人で顔を合わす。


「あいつ…生きてるよ」


力也は、息を切らしながら言う。


「は?なんの冗談?
 軽々しく、言うなよ」


拓馬は力也に近寄ると、胸ぐらを掴んだ。
力也は冷静な態度で、冷たく彼を睨む。


「ルイ、今は東京に住んでる。
 あいつは…生きてんねん。
 でもな、死んだことにしてって頼まれた。
 お前がルイの記憶をなくしたとき、そのまま方が幸せになれるって…。
 あいつは、自分を犠牲にしてまで俺らに頼んだんや」


「今まで…なんで黙ってたんな。
 俺が記憶戻しても、言わんつもりやったんけ!?」


拓馬は力也を強く殴り、再度胸ぐらを掴む。