…言われたことは、間違ってない。
拓馬くんは、向き合ってくれてるのに…あたしは、逃げてばっかり。
ルイさんのことばかり気にしてる。
あたしの゛幸せ゛って…なんやろう。
小さいことから、大きいことまで感覚は人それぞれ違う。
たくさんある中で…その答えが、拓馬くんと交差していたら…いいな。
「…あたし、ちゃんと考える。
拓馬くんのこと、好きやから…」
小さな声で、でも、力強く答えた。
夏希は涙を目に浮かべ、頭を撫でてくれた。
「拓…明日、引っ越すらしい」
そのとき、今まで黙っていた力也が、気まずそうに口を開いた。
驚きを隠せなくて、まじまじと力也を見つめる。
「俺も、さっき…聞いてん。
あいつ、隣の県に引っ越すらしい」
力也は悔しそうに、床を殴る。


