後ろ姿




「太晴、今日はりっくんのお姉さんが面倒みてくれてるねん。
 たまには、ゆっくりしいって」


にっこり微笑むと、机に置いてあったジュースをコップに注いでくれた。


「…あず、何か隠してない?」


夏希は真剣な表情で、口を開く。
力也も真剣な眼差しで、こちらを見ている。


「…拓ちゃんのこと?」


図星をつかれ、ビクッと肩が上がる。

これ以上…隠しても無駄やんな。
どうせ、話そうと思ってたことやもん。

ゆっくりと口を開き…あの日の出来事を話した。


「……だから、好きやけど…すぐにルイさんの存在を思いだす。
 そのたびに、ルイさんから奪ったらあかん…、あたしが邪魔したらあかん…そればっかり、考えてしまうんやんかぁ」


涙を流しながら、自分の気持ちをはっきり話した。
話せたことで、次第に気持ちが楽になる。