「まぁ、また来いよな」


力也はエンジンをかけ、バイクの向きを変える。


「…平気な顔しても、バレてるで」


そう付け足すと、手を振り彼は去って行った。


家に入り、部屋に直進する。
かばんを投げ、ベッドにダイブした。


考えたくないのに、頭にいつも浮かんでくる…彼の笑顔。
拓馬くんが、今でも好きやのに。
そして、彼もあたしのことを…。

本当は、嬉しかった。
今でも想っていてくれたことが、心から嬉しかった。

でも、今度は真逆に考えてしまう。