「ごめんな、また、ゆっくり話そう」


「うん、バイバイ」


軽く手を振って、部屋を出た。
玄関で靴を履いていると、ちょうど帰宅した力也とばったり会った。


「おぉ、今、帰り?」


最後に会った日から、もう…1ヶ月以上は経っている。
ミホとの出来事から、一度も顔を合わせていない。

少し気まずさを感じながら、笑顔で頷いた。


「じゃあ、お邪魔しました。さよなら」


軽く頭を下げて、玄関の扉を開ける。