後ろ姿




「今は、まだ…あかんねん」


「自信ないんや?」


「ほんま、俺…情けないわ」


今もまだ、あたしを想ってくれてるん?
そんなん…どうしたらいいん。

頭の中に、ルイの存在が浮かぶ。

「俺には幸せになる資格なんか、ない」
…彼が言った言葉に、嘘偽りなんて、一つもなく。
本心で、そう思っているはず。
あたしは、その気持ちを、すべて分かってあげることはできない。

彼のルイさんへの想いは、想い合ったまま…無理矢理引き離されたもの。
その中に、簡単に入りこめない。


…部屋に戻ろうと、振り返る。
そのとき、タイミングよく携帯が鳴った。