後ろ姿





……夢を見た。

みんなが、離れてく夢。
どんどん離れてく夢。

「泥棒女」「泥棒女」「泥棒女」

みんなに何度もせめられる。


「やっ……」


ふいに目が、覚めた。

夢………?

額から、汗が流れていく。
頬に触れると、ガーゼの感触。

傷は…夢じゃない。

部屋を見渡すと、ベッドの上にいた。
多分、拓馬くんが運んでくれたのだろう。


2人の姿はなく、リビングへと向かった。