…それから入学して、2週間が経った。
いつも通り、下駄箱で来客用のスリッパに履き替える。
学年ごとに指定色があるが、色がださくて来客用の茶色いスリッパを履いている。
3階にある教室までとぼとぼ歩きながら、携帯をいじっていた。
「ちょう待て内田!
指定のスリッパどうしてん!?」
後ろから肩を掴まれ振り返ると、担任の姿。
今にも噴火しそうな面持ちで、梓紗をきつく睨んでいる。
「ダサイから、嫌やねんもん」
腕を振り払い階段を上りだす。
だが、担任に再度肩を掴まれ、そのまま階段の下まで引っ張られた。
「痛い痛い! 落ちる! 死ぬ!」
大人の男に勝てるほどの力はない。
渋々ついて行き、そのままチャイムも気にせず指導室に連れられた。