力也は傷を撫でて、ガーゼを固定する。
そして…目を開け、ニカッと微笑んだ。
「痛いの痛いの、飛んでけぇ」
その言葉に、思わず笑ってしまう。
「あたしは、太晴くんじゃないですよ」
「っふ。ガキやん」
力也くんの優しさが、胸に染みた。
…再びバイクに跨がり、ショッピングセンター向かう。
裏の公園でバイクは停まった。
「ありがとうございます」
深く頭を下げ、公園の中に入る。
夜の公園は人気がなく、不気味なくらい。
静かに奥に、進んでいく。
「拓馬くん…?」
奥のベンチに腰かける、拓馬の姿が見えた。
よく見ると、前には誰かが横たわっていた。


