…2時間後、携帯の着信音が鳴った。
ディスプレイを確認する。


『学校の近くのショッピングセンターあるやろ?
 悪いけど…そこまで来て』


拓馬からの電話に、少し悩んだ。
内容を話してくれない彼に、仕方なく了承した。

スウェット姿でマンションを出ると、見慣れた姿が目にとまった。


「……よっ」


少し遠慮がちに手を挙げた力也。


「…こんばんは」


「拓馬に頼まれた。…後ろ、乗って」


ヘルメットを手渡され、後ろに跨がる。