「拓馬くん、ちびやから…ちょうどですよ」


梓紗は微かに笑った。


「俺がこっち向いてる間に、着替えぇよ」


拓馬は背を向けた。

…少しブカブカなスウェット。
彼の匂いが…する。
気づけば、後ろから拓馬を抱きしめていた。


「…ありがとう」


小さな声でお礼を言う。
離れようとすると、首に回した腕を掴まれた。

拓馬は、彼女の指と自分の指を絡める。


「心配してたんやからな…」


拓馬くんが来てくれてよかった。
拓馬くんに会えてよかった。