後ろ姿




夏希、心配してるやろな…。
今日は、せっかく夏希に会える日やったのに。

…龍くん、酷いよ。
もう過去の話やとしても。

それに、誰か助けて…助けて!!!

助けて助けて助けて。
助けて、拓馬くん………。


こらえていた涙が、一気に溢れだす。


こわいよ。誰か助けて。


震えながら、わずかな力で携帯を取りだす。

゛拓馬くん゛と表示された番号に、電話をかけた。