後ろ姿




頬からは、真っ赤な血が…流れていく。
倒れる寸前、ミホはナイフを離した。
深い傷ができ…そこには、くっきりと文字が浮かんでいる。

頭を踏みつけられ、意識が遠退いていく…。


「泥棒女」


ミホは梓紗の顔に唾を吐く。


「龍ちゃん、早く行こ?
 じゃないと…もっと傷つけるから」


彼女は、龍の頬の傷にキスをする。
…龍は仕方なく、ミホの後について行った。