「あずちゃんあずちゃんて、うるさい!!!」 再び、バツ印を描くようにナイフを入れた。 「………二股って、何?」 ミホと龍を交互にみる。 …龍はすぐに、顔を伏せた。 「もしかして…知らんかったん?」 ミホは笑いながら、近づいてくる。 「龍なぁ、ほんまは、あたしとあんたのこと…二股やってんで」 「どういう…こと?」 「龍があんたと付き合って、無理矢理別れた感じ。 あたしは別れることに、納得してないのに」 龍くんが、二股…。 じゃあ、あのとき、ほんまは彼女おるのに告白してきたってこと……?