後ろ姿





───数日後。

今日は、夏希のところに会いに行く予定。

イヤホンを耳に当て、自転車に乗って校門を通り抜けようとした。


「あんたけ、西中の梓紗って」


自転車の行く手を阻む…他校の制服を着た女。
女の横には、2人の男が立っている。

見覚えがなく、無視して自転車の向きを変えた。


「龍の傷、きれいやろ?」


その言葉に、思わず足を止める。

龍くんの傷…って、あの、ナイフ?