後ろ姿




「昨日は、拓ちゃんが来てくれてん。
 太晴といちゃついてたわ」


「まじで?それも考えられへんっ」


久しぶりに会ったせいか、つい時間を気にせず盛り上がった。



「…そろそろ、帰るわぁ」


時計の針は、いつしか午後7時を回っていた。


「ごめんなぁ。また、ゆっくり来てな」


夏希は太晴を抱っこしながら、玄関まで見送る。


「うん!また来るわぁ」


陽が落ちるのが早くなったせいか、少し薄暗い。
見慣れた道を、ゆっくりと自転車を漕いでいく。