少し小走りなる夏希についていく。

校門には帰る人がたくさんいて、先輩がどの人なのかは分からない。


「拓ちゃん!りっくん!」


夏希が名前を叫ぶと、それっぽい人が二人…振り向いた。


「お前、声でかいねんっ。
 そんな叫ばんでも聞こえるわ」


「りっくんやったら聞こえへんかなって思って。
 …あっ、この子が西中の梓紗ですよ」


いきなり紹介され、慌てて頭を下げる。