その光景を、龍は静かに見守っていた。
…時間はすぐに過ぎ、徐々にみんなが帰っていく。
辺りは静まり返り、残ったメンバーは雑魚寝状態。
梓紗は、拓馬が寄りかかっているせいか、中々寝つけない。
なんで、こんなかわいい寝顔するんよ。
わざと?忘れられへんの分かってて、わざと寝顔見せてんの?
…って、自惚れてる場合ちゃうよな。
心の中で、1人でつっこむ。
でも、彼を見ていると…思っていることが、自然と口から出た。
「好き……、忘れられへん」
あたしは、何がしたいんよ…。
拓馬くんを振り回すようなことは、絶対にしたらあかんやん。


