後ろ姿




「えっ!!!何、これ!?」


「…安もんで、ごめんな」


力也は夏希の手を取り、薬指に優しくキスをした。
彼女は号泣し、力也を抱きつく。


「力也くん、男前っ!!」


誰かが、ピューピューと指笛を吹く。


「力也くん、夏希にベタ惚れっすもんね」


ユウヤがニヤニヤしながら、力也の肩を組む。
力也の顔が真っ赤に染まる。


「おまっ…あれは、言うなや?」


力也とユウヤが、2人でコソコソしだす。


「なに、2人でコソコソしてんよ」


「やっ、なんもない」


力也は笑ってごまかした。


「あいつら、よかったな」


拓馬は小さな声で、梓紗に耳打ちする。
彼女はコクリと頷いた。