後ろ姿




レイは、責任から逃げているらしい。


「…あたし、あほや。
 酔ってたからゆうても、したのは事実やし。
 …りっくんとの約束、破るとか最低や」


彼女は俯いて、声をあげ泣く。
何も言えず、ただ背中を擦ることしかできなかった…。


「…ありがとう」


平常心を取り戻した夏希は、顔をあげた。


「あず、バイトやろ?
 もう大丈夫やから、行ってきい」


彼女は梓紗に笑いかける。


「今日は、休むから。
 これからのこと…考えよ?」


夏希は返事をせず、梓紗をじっと見つめる。


「…あたしは、一人でも大丈夫やから」