「俺が責任取って親になったら、いいんすか?
 でも、それやったら立場なくなるっすよ?」


レイは鼻で笑い、顎をつきだす。


「お前っ……」


力也は拳を握り、レイに殴りかかろうとした。
でも…すぐに、その手を引っこめた。


「俺は…何も言われへん。
 子どもの親は…お前らやから」


悲しい瞳で、夏希とレイを交互に見る。
そして、胸ぐらを掴んでいた手を離し…静かに部屋を出た。


「俺も帰るから」


それだけ言い残すと、レイも部屋から出ていった。