教室を飛びだし、夏希のマンションに向かった。

妊娠したことにも驚いたが、相手がレイということにさらに驚いた。

マンションにつくと、夏希に部屋に通される。
扉を開け中に入ると、…拓馬がいた。


「とりあえず、座って…」


無言で立ちつくす梓紗に、夏希が遠慮がちに言う。
渋々、拓馬の横に座った。

俯いていると、拓馬に背中を擦られる。


「大丈夫やから…」


彼は、まわりに聞こえないくらいの小声でささやく。