゛2年5組゛と書かれた教室の扉を開けると、中は静まり返っていた。

空気が…重すぎる。

黒板に書かれた座席に座り、携帯を開く。
メールマークが表示されていて、開くと夏希からだった。


【教室の空気、耐えられへん】


自分と同じことを思っていた様子で、安心する。


【あたしも無理、死にそう】


返事を送り携帯を閉じると、タイミングよく担任らしき人が入ってきた。


「始業式始まるんで…廊下に…並んでください」


気の弱そうな口調で、生徒に声をかける。

生徒たちは廊下に並び始め、梓紗も渋々立ち上がった。