後ろ姿




…他愛ない話を繰り返し、時間は過ぎていく。
8時をまわった頃、夏希がカケルに腕を絡めた。


「コンビニ行こ!」


「いいね~!お前ら?」


カケルが、梓紗とレイを交互に見る。
「行く」と返事をしようとしたとき、夏希がカケルの腕を引っ張った。


「あずたちは、待ってていいで」


夏希は意味深な笑みを浮かべる。
そして、扉が閉まった。

…レイと2人きりになり、沈黙が流れる。
夏希にハメられた…。

何を話せばいいか分からず、重たい空気が流れ続ける。

…すると突然、レイがボソリとささやいた。


「なっちゃん…かわいい」


レイは両手で顔を隠す。
隠しきれない耳が、真っ赤に染まっている。


「…いい子やで」

ニコリと微笑むと、レイが顔をあげた。
みるみる表情が明るくなっていく。