最寄り駅につき、裏の公園のベンチに腰かける。
カケルくんとは、あまり話したことがなく、少し…緊張している。
同級生ということが、何よりも救いでもある。
…少し肌寒く、小刻みに震えながら時折、白い息が漏れる。
「なっちゃん!あずちゃん!」
名前を呼ばれた方に目をやると、カケルとあともう1人、こちらに向かって歩いてくる。
「とりあえず、俺ん家行こーぜっ」
カケルは駅からすぐのマンションに住んでいるらしい。
後ろから、ちょこちょこと着いて行く。
夏希とカケルが普段通りワイワイ話し込んでいるので、自然とその友達と隣り合わせで歩いていた。
終始無言で歩いていたが、すぐにマンションについてホッとする。
…部屋に通され、4人が円になり座った。
「こいつ、俺の友達のレイ。
…で、なっちゃんとあずちゃん」
レイくんは、童顔で背も低い。
短髪が少し茶色く、くっきりとした二重をしている。
パッと見は…年下みたい。