「うおっ、夏希とあずちゃん?!」


校門を出てすぐ、バイクに跨がる力也に会った。
彼は驚いた様子で、まじまじと2人を交互に見る。


「なんか…雰囲気変わるなぁ。
 あずちゃん、似合ってるで」


ニコリと微笑まれ、軽く頭を下げる。


「あたしはぁ?」


夏希はわざと甘えるように、力也に微笑みかける。


「あー、かわいいかわいい」


わざとらしく棒読みで言う彼。
夏希は頬を膨らまし、彼の腕を叩いた。
すると、力也はすぐに夏希にデコピンする。


…2人共、仲良いな。
めっちゃお似合いやし、付き合ってほしいな。

夏希の気持ちは知っている。
力也くんも、彼女のことを好き…という瞳をしている。

両思いやったら…いいのに。