「次、あず」
腕を引かれ、夏希の前に座らされる。
振り向こうとすると、その前にコテで髪の毛を挟まれた。
夏希は順序よく、彼女の髪を巻いていく。
さっきまでストレートだった髪が、次々と巻き髪へと変化していく。
化粧直しもしてくれて、巻き髪に合うメイクへと変化した。
゛出会いは大切゛
その間、夏希がボソリと呟くように言った、意味深な言葉に頭を悩まされていた。
どういう意味で言ったのかは、分からない。
でも、あたしには゛どの出会いを選ぶかは自分次第゛ということに思えた。
…完全にセットが終わり、屋上を出る。
ちょうど最後の授業中で、廊下は静まりかえっている。


