彼の傘に入れられながら、゛近藤゛と表札がかかる家につく。


「とりあえず…風呂入れ」


タオルで髪を軽く拭いてくれ、浴槽にお湯を張ってくれた。

その優しさに甘え、お風呂を借りた。

…雨にうたれているとき、寒さなんか、感じなかった。
でも、湯船に使った瞬間…意識が戻った気がした。


シャワーを浴び、置かれてあったスウェットを着る。
明かりのつく部屋に行くと、服を乾かしてくれていた。


「…ありがとう」


お礼を言われ、シュウは何も言わずに頷く。


「まぁ…座りよ」


ソファに座り、窓の外を眺めていると、温かいココアをいれてくれた。


「何で、傘ささんとおったん?」


シュウは、彼女の顔を見ずに問いかける。
何も言いたくなくて、梓紗は俯いた。