夏希には、申し訳ないなと思う。
あたしのことで、夏希に遠慮させてる自分が情けない。
…彼女の優しさには、感謝してる。
「てか、来週バレンタインやで」
ココアのついでに、買った雑誌をペラペラとめくる。
゛バレンタイン特集゛と大きく書かれたページと、にらめっこする。
「あげるん、力也くんに」
チラっと夏希を見る。
夏希も動揺しているのか、顔が火照っている。
「毎年あげてるよ、溜まり場のみんなに」
゛みんな゛って、平等チョコですか。
納得いかない様子で夏希を見る。
「でも今年は、本命で…渡そかな」
夏希は恥ずかしそうに俯いた。
それって…告るってことやんな!?
一気にテンションが上がり、本命チョコの計画を立て始める。
13日に夏希の家で一緒にチョコを作り、14日に家まで渡しに行く。
溜まり場やから、人がいっぱいおるから…コンビニに誘うふりをして渡すことになった。


