「俺がしたことは、許されへん。
 …そっから毎日、ルイの家に謝りに行ってる。
 帰されるばっかりで、まともに話なんか聞いてもらわれへん。
 でも、それが当たり前やから。
 今まで忘れてた俺は、最低や…」


「……」


「…夏希の誕生日、俺、お前に告ろうとしててん。
 でも、ルイのこと考えたら…できへんかった」


拓馬は、「情けないよな」と言って笑った。

笑い話なんか…ちゃうやん。


「…あのときは、ごめん。
 俺の勝手な理由で、あずを困らせた」


悪いのは、拓馬くんじゃないよ。
だから謝らんといて。
結果的には振られて泣いてしまったけど、でも…拓馬くんは、あたしのことを考えて突き放した。
寂しいし悲しいけど、仕方ない。


「何も考えたくなくて、いろんな女に手出した。
 自分自身が分からんくなってた。
 …でも、コンビニであずと会った瞬間、後悔した」


「……」


「俺…あずのこと好きや。
 お前と一緒におりたい、そばにいたい。
 でも、一緒におられへん。
 好きやから…無理や。
 俺には幸せになる資格なんか、ない」


拓馬は鼻声になりながら、そう言う。