「ううん、拓馬くんに会いにきたんよ」


拓馬くんを、まっすぐ見つめる。
拍子抜けしたのか、「えっ?」って顔してる。


「あたしに…隠してること、あるやんなぁ」


できるだけ、力強く言う。
じゃないと泣いてしまうから。

だって、こうして会えたことが素直に嬉しい。
ずっとずっと…会いたかったから。


「…とりあえず、座れ」


拓馬は自分の前を指差す。
ゆっくりと、そこに座った。


「俺が今から話すことに、同情はすんな。
 そんな目で見るんやったら、話したくない」


あたしは頷いた。
これから話されることが、どんなことかもしらずに…。