僕らは傷つきながら恋をする。




屋上に出ると、優しい風が髪を靡かせる。
あたしは思わず、綻んだ。



「気持ちいい」



「だね。…あれ?あの子じゃない?」



友恵は屋上の端にいた、女の子を指差した。
友恵の指の先にいた女の子の後ろ姿は見覚えがある気がした。



「あ、あの!」



あたしが声をかけると、女の子は首を傾げ、振り返る。
その娘はあたしが体育館で話した女の子だった。



茶色の肩までかかるストレートの髪
真っ直ぐ見つめる茶色の丸い瞳
少し日に焼けた肌



女の子のあたしから見ても、女の子らしい女の子という感じの子だった。



女の子はあたしを見て、あっと呟く。



「体育館で話した子だよね?」



「う、うん。あの時はありがとう」



「全然いいよ。仲直り出来たみたいでよかった」



ニッと笑った口から八重歯が覗かせる。
そして、彼女はちらっと友恵を見た。



「初めまして」



「…初めまして。同じクラス…だよね?」



「そうだよ。えっと…森本 友恵ちゃんだよね?」



「…もう覚えたの?」



覚えの速さに、あたしと友恵は目を丸める。
まだ入学したばかりで、彼女は式の後、教室にいなかった。
いつ覚えたんだろう。



「森本 友恵ちゃんと倉本 朱羅ちゃんだけね。何となく友達になりたいなぁって。直感でね!」



無邪気なこどもみたいとあたしは思った。
素直というか…親しみがもてる子だ。