もしいなかったら…
出会わなかったら…
俺の心は曇ったままだっただろう。
それを救ってくれたのは朱羅だ。
「笑花…ゴメンな。お前が苦しんでいる時に…俺は…」
「龍も気持ちが変わってしまった?それは…仕方がないよ。私が悪いんだもん」
「違う!そういうことじゃなくて…」
気持ちが変わったことはない。
俺の心はずっと笑花を待っていた。
気持ちが変わったことじゃない。
ただ…笑花が眠っている間、俺の心が揺らいでしまったことだ。
笑花がいないのが当たり前みたいになってしまった。
笑花が目覚めることを望んでいたはずなのに…
いないことが当たり前みたいになって、忘れてしまっていた。
「笑花がいないのに…穏やかな時間が流れてて…」
朱羅と過ごしたあの屋上の時間が…
穏やかで俺の心に寄りそっていた。
それが…申し訳なかった。

