だけど…
彼女は悲しげな表情を浮かべていた。
笑花目覚めたことは喜んでいると思う。
なのに…
彼女は泣きそうな顔をしていた。
彼女の泣きそうな顔が気になったが、俺は笑花がいる病院へと走っていた。
「笑花っ!!」
病室の帯らはバンッと開けた。
息を切らし、汗を流す俺を見て、彼女はきょんと不思議そうだった。
だけど、嬉しさからか笑みを綻ばせる。
「龍…会いたかった…」
久しぶりに聞く彼女の声は震えていた。
俺は彼女にそっと近づき、彼女の頬を包んだ。
ほんのりとぬくもりが伝わる。
「笑…花…」
「龍…ゴメンね。辛かったよね?ちゃんと…帰って来たよ。龍にもう一度…会いたくて……」
視界が涙でぼやける。
こんなに嬉しいことはない。
「…お帰り」
彼女がいて、笑顔がそこにある。
失くしていたものが俺の目の前にあった。

